皆さんお久しぶりです。
野生のシャチことshyachiです。
今回は自分に合う会社ってなんだろうな、どんな会社がいいのかな、業種は何がいいのかな。などなど、いろいろな視点から、会社の人数に着目してみます。ここでの人数とは、会社の従業員数(大きいところなら連結従業員数でもよいです)
人数に着目するきっかけ
なぜ人数と、自分に合う会社がつながるのか、きっかけをお話ししたいと思います。
まずは、私の経歴はこんな感じです
- 15~20歳:高専にて工学を学ぶ
- 20歳:新卒で大手自動車メーカーに就職
- 21歳:長い研修を経て、開発担当にアサイン
- 22~25歳:体調を崩したり、休職したり等、調子が悪かった時期。自動車メーカーを退職。
- 25歳:実家に帰って中小企業でアルバイトを始める。
- 26歳:楽しい側面もあったが給料が上がらないので、一念発起して、ベンチャーに転職
- 27歳:せっかく就職したが、残業時間が多く、また身体を壊す。ベンチャー退職
- 28歳:前職のベンチャーの社長から「フリーランスでやってみたら?」と声かけあり、個人事業主になる
- 28~32歳:いろいろあったが、個人事業主が4年続く。何とかやっていけていた。
- 32歳:今の会社と引き合いがあり、ベンチャーの会社員として再度転職
- 33歳:現在は会社員で元気に働いている
振り返ってみると、大きく分けて4回転職しています。
大企業 → 中小企業 → ベンチャー(1社目) → 個人事業主 → ベンチャー(2社目)
それぞれやってることは異なりますが、一貫していたのは「工学を生かした業種」という点です。つまり、全部専門職ということですね。そういう意味では、ある程度一貫性のあるキャリアかもしれません。全部専門職ではあるが、規模が違う会社を転々としたことになります。それぞれの会社規模を並べてみましょう
- 大企業:1万人規模(連結従業員では10万人規模)
- 中小企業:20~30人規模
- ベンチャー(1社目):10人規模
- 個人事業主:1人
- ベンチャー(2社目):10人規模
この中で抜けているのは、100~1000人規模の会社ですね。それ以外は渡り歩いた形になります。
こうした転職の中で感じたのは、人数の規模による働き方の違いです。同じような専門職でも、まったく異なるスキルや振る舞いが求められました。そして、今の会社(10人規模)は私の肌に非常にあっていると感じます。この違いはどこから生まれるのでしょうか?
大企業での悩み
まずは大企業からお話ししましょう。
大企業は当然ながら人数が多いです。全体の人数もそうですが、1部署当たりの人数も多くなります。私のいた会社では最小単位で10人、1部署として300人、それらが複数集まって全体を構成する形です。当然ながら、権限の階層も深くなります。社長から1従業員に至る階層としては5~7階層といったところでしょうか。役員や部長、課長といったくくりですね。これだけ深いと、1従業員としては社長の顔を見ることは滅多にありません。また自分から2つ上くらいの階層は何とか顔と名前を覚えてもらえますが、それより上は顔も名前もお互い分かりません。でも仕事上のつながりはある状態です。
こういった状況で起こるのは、「自分がやりたい仕事、やりたい方法に対する許可をもらうことが困難」というものです。いわゆるハンコリレーが必要になってきます。1従業員に与えられた権限の範囲であれば、そういったことは必要ありませんが、基本的に業務が細分化され、分業になっているので、ちょっと変わったことをしようとすると、許可取りが重要になってきます。
例えば「ユーザビリティ向上のためAという部品をBという部品に切り替えたい。なお前例はなく、検証は必要。」というものを考えたとき、まず起こるのが「そもそもの必要性があるかどうか」です。これは1従業員が必要性を感じてるだけでは不十分で、自分の上司と関連部署に必要性を感じてもらう必要があります。これだけ大規模だと、3つ上の階層に承認をもらう必要があったり、関連する担当者が数百人規模に上ることも珍しくありません。つまり、ちょっとしたことでも大量の承認が必要になります。
私はとにかくこの作業が苦手でした。1人や2人ならまだしも、これだけの規模に周知させるのは大変なことです。そして私は「自分のやりたいように仕事をしたい」という意志が強かったので、よく周りと衝突しました。
このようなことから、仕事はうまくいきませんでした。ほとんど窓際だったと思います。体調も崩しがちで、6年続けましたが退職となりました。
天国のように感じた中小企業
話題は変わって、中小企業です。
体調を崩した直後だったので、社会保険に入ったアルバイトを中小企業で始ました。業務内容は、簡単に言うとドローンのフライトトレーナーと店番です。もともと趣味でドローンをいじっていたのが高じて、仕事として拾ってもらいました。
普段の業務は、店番をしてお客さんを待ち、ドローンのフライトの体験をしたい人が来れば、それに付き添い、操作を補助する業務です。残業等は多少ありましたが、ほぼ定刻で帰宅できていました。
実はこのとき、めちゃくちゃ楽しかったんです。自分の趣味が仕事になったということもあり、仕事をしていてもあまり抵抗感がなく、お客さんには感謝されることが多く、仕事をしている意義を大いに感じました。
また、指示系統は明瞭で、部長から指示があれば動く、困ったら部長に相談する、場合によっては社長にエスカレーションする。これだけです。実にシンプル。ハンコリレーの必要性はありません。直談判するだけで済みます。
大変楽しかったのですが、一方で現実的な問題もありました。アルバイトなので収入が多くなく、なおかつ昇給は断られました。また、細かく語りませんが、家族経営の会社ということで、いろいろと闇があり、部長の振る舞いにストレスを感じることも多かったです。
人数が少ないと、ここまで承認が楽なんだ、と実感しました。やりたいことも大概のことはできましたし、困ることも少なかったと思います。
でもここにきて「やっぱり自分のスキルを最大限生かした働き方で稼ぎたい!」という思いが強くなり、ものづくりのベンチャーに転職しました。
楽しいブラックベンチャー企業?
「え?」という感じかもしれませんが、タイトルの通りです。
転職で入った会社は10人未満の小さなものづくりベンチャーで、社長と毎日顔を合わせて、みんなで協調して働く場所でした。営業、開発、デザイン、販促など、それぞれの領域が非常にあいまいで、できる人ができることをする、そういう場所でした。
入った直後の印象は「求めていたのはこれだ!」と思ったのを覚えています。自分のやりたいようにでき、その成果が評価される。まさに求めていたものでした。実際働いていると、今まで経験がなかった客先との折衝や、デザイナーとの会話など勉強になることが多かったです。毎日新しいことが学べるという感じですね。
苦手なハンコリレーもないし、ある種の天国だったんですが、問題もありました。残業時間です。
もともと身体を壊しやすいのに学習せず、バリバリ残業しました。サビ残も進んでやりました。楽しかったからです。とはいえ、80時間くらいでしょうか。別の人は200時間越えもしばしばありました。
私は調子がいい時はバリバリ仕事できますが、調子を崩すと何もできなくなるような体質です。調子が悪くても、最低限の作業をする、というようなことができませんでした。結果、また体調を崩し退職に向かいました。
基本的には残業時間さえ正常範囲なら、理想にかなり近かったと思います。人数が少ない分、メンバー全員の顔を覚えられますし、お客さんの顔も覚えることができましたし、覚えてもらうこともありました。やりがい自体は本当に大きかったと思います。
そしてその時の社長から「個人事業主やってみたら?」という声かけがあり、それがきっかけで独立しました。
究極の裁量制 個人事業主
ということで、ものづくりを補助したり、物品を設計して納品するという業態で個人事業主となりました。
なぜ個人事業主を選んだか?実は消極的な理由でした。
- 個人事業主なので好きなだけ働けばいい(体調が悪ければサボれる)
- お客さんと折衝さえすれば、あとは自分の権限ですべてこなせる
- 働きたくないでござる!1か月の労働時間10時間くらいで生活したいでござる!
ある意味、究極の自由度で過ごせます。だって、一人社長のようなものですから。
これもかなり楽しかったです。なんせ、折衝するのはお客さんと直接会って自分が行い、納得した形で受注し、納期も自分で決めて納めるのです。もちろん金額も自分で決めます。
大企業と比較すれば、1万分の1の規模での仕事です。やれることは自分で考えて、自分で実行する。お客さんに文句を言われても、誰のせいでもない、自分のせい。やった分だけお金になる。究極の裁量制です。
とはいえ、楽しいからと言って楽ではないのがポイントでした。自分のキャッシュフローを計算して、足りない時は金融公庫から融資をいただき、仕事がない月もありました。実入りがないので、短期のアルバイトで食いつなぐこともありました。貯金はいつもすっからかんです。
そして2年ほどたち、あることに気が付きました
- 自分は誰かの補助をすることが得意であり、単独でプロダクトを考えて完成させるのは苦手
- 営業は不得意ではないが、地道な営業活動は私には難しかった
- そのため顧客が固定され、ほぼサラリーマン的な生活に戻っていた
ものづくりで個人事業主をする上では、1番は致命的です。自分のプロダクトを持っていないというのは、他人の発注任せであり、自分に選択権がない状態になります。キャッシュフロー的にも、ベースとなる部分がないのは辛いところです。
これらの事象から、実は私は小規模な会社の会社員が一番合っているのでは?という結論に達しました。
個人事業主を4年近く続けましたが、最終的にはサラリーマンに戻る決意をしました。
自分の活躍できる領域と規模を知ることが大事
現在はベンチャー(2社目)で2年目です。人数は10人程度ですが、働き方に自由度があり、適度な裁量が与えられ、自分の判断で動くことができます。もちろん、メンバー全員の顔は覚えていますし、苦手な分は分業され、フォローしてもらうことができます。
様々な規模で働いてみた結果、自分には比較的小さな規模の会社が一番立ち回りやすいことを理解しました。もちろん、会社ごとに善し悪しはあると思います。少なくてもわかっているのは、自分はハンコリレーで他人の顔色をうかがうのは苦手だし、自分一人で独走するのも苦手だということです。
小さいとはいえ、会社であればお互いの業務のフォローができます。個人事業主だとそれは人脈次第となります。大企業だと、業務が分業、細分化しすぎていてフォローしあうことが難しい側面もあります。
自分が得意なのは「工学の知識を生かして他人を補助する、助けること」だとわかりました。これは1人よりかは複数人のほうが力を発揮しやすいです。なので、個人事業主ではなく、今の会社員を選びました。
こんな感じで、会社の人数規模ごとに、主観的ではありますが、働き方やその違いをまとめてみました。
人によって、大企業のほうが働きやすい!個人事業主最強!などいろいろあると思います。
ぜひみなさん、コメントで教えていただければと思います。
それではまたの機会に。
コメント
コメント一覧 (8件)
企業規模での働き方がとてもわかりやすかったです。
ありがとうございます。
個人事業主で働ける方々が、本当にすごいなと思っています。
私が働きやすいと思う規模はどこかなぁ…。
忙しさにもよりますが、少人数〜中小企業かしら。
企業規模の違いが伝わったようでなによりです…!
規模による違いも大事ですが、業務内容はもっと大事だと思うので、傾向だけ参考になればいいかなと。
個人事業主は運よく生き延びたという感じですw
共感しながら読ませていただきました。
大きな会社も全体が見えなくて難しいなと思ったりしましたが、
小さな会社(20〜100人くらい)は特に創業メンバー一人ひとりの影響力というかがでかすぎて
うまく立ち回るのが難しいと感じました。(今の休職理由のひとつでもあります)
メリットやデメリットを認識しておいて飛び込むことは大事ですね。
次の職場のサイズはどのくらいを狙おうかもやもや中です。
ありがとうございます。
そうですね、会社の規模やどれくらい歴史があるかも関係しそうです。
もやもや晴れるといいですね…!
私は最終的に個人事業主に着地しましたが感覚的にはしゃちさんに大分近いなと思ってます。
階層が多い組織ムリィ!!!って感じでブラックベンチャーは7年続いたけど老舗大企業は半年で退職しました^q^
なんか、好みというか適正ありますよね。
私は階層が多いとストレスがすごいですw
企業規模にも適性があるという視点、shyachiさんのお話を伺うまで考えたことも無く、目からウロコでした!!!
働き方に求めることも自分と似たものを感じ、それぞれの場所でやりたいようにやれるか数年試された経験談が大変参考になりました。
書いて下さりありがとうございました!!!
そうなんですよね、いくつか体験してみないと気が付かない視点かと。
参考になったようでなによりです!